試験まで、あと3週間ほど。
「ここまでのやり方、本当にこれでよかったのかな」「いっそ、テキストを最初から全部やり直した方がいいんじゃないか」。模試や問題集で間違いが続くと、そんな気持ちになることもあるよね。
一通り学習を終えているなら、まずは間違えた問題を優先して、必要なところへ戻ろう。最初のページから全部やり直す前に、自分がどこで止まっているかを確かめたい。
ただし、まだ勉強していない範囲や、たまたま正解しただけの問題は別だ。「間違えた問題だけで十分」と決めずに、理解が曖昧なところも確認する。この記事では、私の試験前の経験を交えながら、残り3週間で復習する場所を絞る方法を話していく。
全部やり直したくなったら、戻る場所を決めよう
模試で点が取れなかった日、問題集をめくって解き方を思い出せなかった日。「最初からやり直そう」と考えるのは自然なことだと思う。でも、全部を戻ると、すでに理解して解ける問題にも時間を使うことになる。
まず見たいのは、間違いが特定の単元に集中しているか、それとも仕訳の基本など広い範囲でつまずいているかだ。前者なら、その単元を優先して復習する。後者なら、問題数を増やす前に、土台となる説明や例題へ戻った方がよい場合もある。
「全部できていない気がする」ときこそ、答案を一つ開いてみよう。科目選びは合っていたのか、左右だけを逆にしたのか、計算の途中で止まったのか。できた部分も見つけると、復習する範囲を決めやすくなる。
cosmoまずは、間違えた問題を一つ見よう。どこから分からなくなったかが見えれば、戻るページも決めやすくなる。
私は試験前、過去問を毎日解いていた
ここで、私自身の話を少しする。
私は商業高校に通っていて、簿記3級の試験前は過去問を毎日解いていた。新しい教材に手を出すより、同じ過去問を解く日々だった。
間違えたときは、もちろん「なぜ間違えたのか」も見る。ただ、原因を細かく分析することに時間をかけたかというと、そうでもない。どちらかというと、原因を確認したら、また解く。その繰り返しの方が多かった。
そして、試験の残り1週間。この期間は、1日のうちかなりの時間を簿記に使っていた。毎日過去問を解いて、間違えたところを確認して、また解く。最後の1週間は、ほぼその繰り返しだ。
商業高校での経験は、時間の量までまねしなくていい
私が簿記に時間を使えたのは、商業高校に通っていて、ある程度簿記に時間を使える環境だったからだ。仕事や家事、育児、学校の課題などと両立する人とは、使える時間も学習の進み具合も違う。
私の経験から取り入れてほしいのは、過去問や問題を解き、間違いを確認して、もう一度取り組む流れだ。同じ時間や回数を確保できれば同じ結果になる、という話ではない。
ここからは、その経験を踏まえた復習方法の提案になる。30分取れる日なら短い問題の解き直し、まとまった時間が取れる日なら一回分の演習というように、使える時間に合わせて組み立てよう。
復習するのは「間違えた問題」と「理由を説明できない正解」
材料は、まず手持ちの問題集や模試から探す。間違えた問題に加えて、勘で選んだ問題、解説を見てから正解にした問題、解くのに時間がかかった問題も候補になる。丸が付いていても、自力で解けるか不安なら確認しておきたい。
最初から全部を一覧にしなくてもいい。今日開いた一冊や、直近に解いた模試から始めよう。問題番号の横に「科目」「左右」「計算」「読み落とし」など、短いメモを残せば、次に戻る場所が分かる。きれいな復習ノートを作ることが目的ではない。
優先したいのは、繰り返し間違えるところや、ほかの問題にも関係する基本だ。たとえば借方・貸方で止まるなら、似た仕訳を何問も急いで解く前に、なぜその側に書くのかを確認する。どの問題も同じ重さで抱え込まなくていい。
教材は、まず今あるものを使おう。ただ、解説を読んでも理解できない箇所は、別の説明を確認する選択もある。手持ちの教材が受験する試験の範囲や形式に合っているかも確かめたい。教材を増やさないこと自体を目標にせず、必要な説明に戻れるかを基準に考えよう。
原因の確認は短く。ただし、分からないまま解き直さない
間違いを見つけたら、次に何を直すかが分かるところまで確認する。長い反省文は要らないけれど、正解の数字だけ見て進むと、同じところでまた止まりやすい。
金額を写し間違えたなら、問題文のどの数字を拾い違えたのかを見る。条件を読み落としたなら、その条件によって処理がどう変わるのかを確かめる。原因が分かったら、解答を閉じてもう一度解こう。
一方、なぜその勘定科目になるのか分からないなら、テキストの該当箇所や基本の例題へ戻る。同じ誤りを繰り返すときは、回数を増やす前に説明を読み直したい。私が原因確認より演習に多く時間を使っていたことと、理解できない部分を飛ばしてよいことは別だ。
たとえば、以前掛けで売った商品の代金を現金で回収した、という練習問題を考えてみよう。ここで貸方を売上にしてしまったなら、「売上が新しく発生したのか、以前の売掛金を回収したのか」を確かめる。答えの科目名だけ覚えるより、取引の違いを押さえてから解き直したい。
仕訳は合っていたのに勘定への転記で迷った場合は、勘定記入で左右に迷う人へ|相手科目を間違えない転記のコツで、記入する側と相手科目を分けて確認できる。
cosmo短く確認して進んでいいのは、次にどう直すかが分かったとき。理由が分からないままなら、説明や例題へ戻ろう。
同じ問題は、答えを隠して根拠から再現する
「同じ問題をまた解いて、意味はあるの?」と思う人もいるだろう。たしかに、数字や選択肢の位置だけを覚えて正解することはある。だからこそ、答えを隠し、仕訳や計算の根拠を自分で再現することを意識したい。
仕訳なら、何が増減したのかを言ってから科目と左右を決める。計算問題なら、どの数字を使って何を求めるのかを書いてから計算する。正解と一致したかだけでなく、途中の考え方が説明できるかも見よう。
解説を読んだ直後に解けたら、別の問題を挟んだ後や翌日にも確かめる。一度できた問題を毎回すべて解く必要はないが、時間を置くとまた迷うなら、復習候補に残しておく。解ける問題の確認にも、理解が保たれているかを見る役割がある。
解けるようになったら、数字や条件の違う類題へ
同じ問題を自力で解けたら、数字や条件が違う類題で確かめる。手持ちの教材の同じ単元や、別の回の問題から探してみよう。答えを覚えていなくても、取引の意味や計算の手順から解けるかが確認点になる。
類題でつまずいたら、元の問題と何が違ったのかを見比べる。金額が変わっただけなのか、支払方法や期間などの条件が変わったのか。条件の違いを見落としていたなら、その一か所を確認してから再挑戦する。
類題を一問解けたことだけで、その単元を完全に理解したとは言い切れない。それでも、次に確かめる場所は絞れる。解けた問題とまだ迷う問題を分け、限られた時間をどこに使うか決めていこう。
残り3週間は、復習と全体確認を行き来する
進め方の一例として、次の流れが考えられる。これは当時の私の予定表ではなく、一通り学習を終えた人に向けた提案だ。日数で機械的に区切らず、理解度と使える時間に合わせて調整してほしい。
- 最初の数日:戻る場所を決める。直近の答案を見て、間違えた問題と正解の理由が曖昧な問題を拾う。未学習の範囲があれば、そこも予定に入れる。
- 中盤:解き直しと類題に取り組む。原因を確認し、必要な説明に戻り、解答を隠して再挑戦する。解けたら条件の違う問題へ進む。
- 終盤:時間を計って全体を確認する。受験する形式に合った一回分の問題を解き、時間切れや解答漏れも確認する。見つかった弱点は短い復習へ戻す。
全体演習は最後まで待たなくてもいい。時間配分が不安なら早めに一度試し、その結果で復習の順番を変えよう。ネット試験を受ける人は、画面上で解答する練習も含めて確認したい。
解ける問題が残っているのに時間切れになる場合は、時間が足りない人へ|取れる点を先に取る解き方も参考にしてほしい。苦手の復習と、一回分を時間内に進める練習の両方を予定に入れよう。
手が止まっているなら、今日の一問から
何から始めるか迷って勉強が止まっているなら、今日の入口は一問でいい。間違えた問題を一つ選び、原因を確認し、答えを見ずに解いてみよう。
これは「一日一問で試験準備が足りる」という意味ではない。一問解いたら、残り時間と復習候補を見て、次に取り組む問題を決める。時間が少ない日は短い問題に絞り、まとまった時間がある日は類題や全体演習まで進めよう。
残り3週間。全部を最初からやり直すかどうかで悩み続けるより、今つまずいている場所を一つ見つけたい。必要なところへ戻り、自分で解き、別の問題でも確かめる。まずは手元の答案を開いて、今日取り組む一問を選んでみてほしい。


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