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POINT
・取引先や従業員に代わり立て替えて払うこと。 立替金
・給与天引きした所得税や社会保険料。 預り金
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立替金は、資産勘定 で、借方(左側)が定位置。
預り金は、負債勘定 で、貸方(右側)が定位置。
しつこいですけど、勘定科目がどのグループで、借方・貸方のどちら側なのかを把握するのが鉄則。
立替金とは?
立替金とは、本来は相手が支払うべき費用を、会社が一時的に代わりに支払ったときに使う勘定科目で、貸借対照表では 資産の部 に計上。
読んで字のごとく、「こちらが一時的に肩代わりしたから、あとで返してもらうお金」です。
使用場面の具体例
- 取引先に代わって、宅配便の運送料をいったん会社が支払った
- 共同で開催するイベントの費用を、一旦会社が立て替えて支払った
- 本来は他社が負担するべき税金や登録料を会社が仮に支払った
これらは最終的に相手から返してもらえるため、資産として処理します。
「仮払金」との違い
混同しやすいのが仮払金です。
- 立替金:本来は相手が払うべきものを、こちらが一時的に支払った
→ 誰に返してもらうのかが明確 - 仮払金:とりあえず払ったが、内容がまだ確定していない
→ 支払先や内容が未確定
ポイントは「返してもらう相手が明確かどうか」です。
🔹 会計上のポイント
- 立替金は「返してもらえる権利」なので資産に計上
- 精算時には、相手から入金されることで立替金が消える
- 決算時に残っていれば「未回収の債権」として扱う
🔹 簿記3級試験での注意点
- 「相手に代わって支払った」→ 立替金(資産)
- 「出張旅費を前渡しした」→ 仮払金(資産)
- 「内容不明の支払い」→ 仮払金(資産)
試験では「相手のために一時的に支払った」という表現があれば、迷わず立替金を選びましょう。
まとめ
- 立替金=相手の支払いを一時的に肩代わりした金額を処理する資産
- 仮払金との違いは「返済してもらう相手が明確かどうか」
- 簿記3級では「代わって払った=立替金」と即答できるようにすると安心
預り金とは?
預り金とは、会社が一時的に他人から預かっているお金を処理する勘定科目で、
貸借対照表では 負債の部 に計上。
イメージすると「いったん会社が持っているけれど、いずれ返したり納めたりする必要があるお金」です。
会社自身のお金ではないので、資産ではなく負債に分類されます。
使用場面の具体例
- 源泉所得税の預かり
従業員に給与を支払うとき、所得税を天引きして会社が一時的に預かる → 後で税務署へ納付 - 社会保険料の預かり
給与から社会保険料を天引きし、会社がまとめて支払う
「仮受金」との違い
混同しやすいのが仮受金です。
- 預り金:内容や相手が明確。将来返すか納めることが決まっている
→ 例:源泉所得税、社会保険料 - 仮受金:入金があったが内容がまだ不明で、一時的に処理する
ポイントは「性質や返済先がはっきりしているかどうか」です。
会計上のポイント
- 預り金は会社のお金ではなく「一時的に預かっているもの」
- 返金や納付が終われば消える
- 決算時点で残高がある場合は、まだ処理されていない預かり分があるということ
簿記3級試験での注意点
- 給与からの源泉所得税・社会保険料の天引き → 預り金(負債)
- 「入金内容が不明」→ 仮受金(負債)
- 貸借対照表では必ず 負債の部 に表示される
まとめ
- 預り金=会社が一時的に他人から預かっているお金を処理する負債
- 仮受金との違いは「内容や返済先が明確かどうか」
- 簿記3級では給与天引きの例がよく出るので、源泉所得税=預り金と覚えておくと得点につながる
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