
- 今回のポイント!
- 費用勘定とは、会社が収益を得るためにかかったコストを記録する勘定科目です。
- 費用は、会社の活動に伴って資産が減ったり、負債が増えたりすることで発生します。
- 損益計算書では「費用の部」に表示され、最終的に利益計算に反映されます。



- 主に費用勘定は、借方(左側)が定位置。
- 何度も言いますが、勘定科目がどのグループで、どちら側が定位置なのかを確認。
「簿記3級を勉強し始めたけど、費用勘定って言葉が出てきて、急に難しくなった…」
こんなふうに感じているあなた、大丈夫です!
費用勘定は、簿記の世界の基本であり、会社が事業を行うために使ったお金を記録するために欠かせない勘定科目です。
私たちの日常生活でいう「支出」や「経費」と同じようなものだと考えれば、意味も使い方もスッキリ理解できます。
この記事では、費用勘定の意味と、簿記3級で学習する代表的な勘定科目を、初心者でもスッと頭に入るようにわかりやすく解説します。
主な費用勘定の種類(簿記3級でよく出るもの)
- 仕入 商品販売業において、売るために仕入れた商品の原価。
- 給料 従業員に支払う賃金。
- 旅費交通費 出張旅費や交通費。
- 水道光熱費 電気代、ガス代、水道代など。
- 租税公課 事業税、固定資産税など、会社が支払う税金。
- 減価償却費 建物や車両などの固定資産を使用することによる価値の減少分。
- このほかにも通信費、広告宣伝費、消耗品費など、多くの費用勘定があります。
費用勘定の特徴
- 発生主義で計上 → 実際にお金を払った時ではなく、費用が発生した時点で計上する。
- 借方記入で増加 → 簿記では、費用勘定は借方(左側)に記録すると増える。
- 損益計算書に反映 → 収益から費用を差し引くことで、利益を算出する。
簿記3級でなぜ重要?「費用勘定」の勘定科目の意味
費用勘定とは、会社が事業活動を通して使った、すべての支出を表す勘定科目の総称です。
簿記3級では、主に以下の3つの勘定科目が費用勘定として登場します。
- 仕入: 会社の本業である商品を仕入れるために使ったお金。
- 給料: 従業員に支払う給料や手当。
- 支払家賃: 事務所や店舗を借りるために支払う家賃。
これら3つは、すべて「儲けを減らす」という共通点があります。
そのため、仕訳では借方に記入するというシンプルなルールがあります。
「費用勘定」の具体的な仕訳パターン
費用勘定の意味を理解するには、実際に仕訳をしてみるのが一番の近道です。
ここでは、代表的な費用勘定の取引例を見ていきましょう。
「仕入」の仕訳例
会社の本業で最も重要な費用勘定です。商品を仕入れ、代金を支払った場合に仕入が発生します。
- 取引例1: 商品50,000円を仕入れ、代金を現金で支払った。
この取引では、仕入という費用が増え、現金という資産が減りました。
借方 | 貸方 |
仕入 50,000 | 現金 50,000 |
「給料」の仕訳例
従業員に給料を支払う場合に給料が発生します。
- 取引例2: 従業員に給料200,000円を現金で支払った。
この取引では、給料という費用が増え、現金という資産が減りました。
借方 | 貸方 |
給料 200,000 | 現金 200,000 |
「支払家賃」の仕訳例
事務所や店舗を借りている場合に家賃を支払うと支払家賃が発生します。
- 取引例3: 事務所の家賃100,000円を現金で支払った。
この取引では、支払家賃という費用が増え、現金という資産が減りました。
借方 | 貸方 |
支払家賃 100,000 | 現金 100,000 |
費用勘定の勘定科目を効率よく覚える3つのコツ
ここまで「費用勘定」について見てきましたが、簿記3級には他にもたくさんの勘定科目が出てきますよね。
すべてを丸暗記するのは大変ですが、いくつかのコツを押さえれば、効率的に学習を進めることができます。
コツ1:仕訳のパターンで覚える
勘定科目の意味を一つずつ覚えるのも大切ですが、それだけでは頭に残りにくいもの。
「お金を使ったら、費用勘定を借方に記入する」
というシンプルなルールを仕訳のパターンと一緒に覚えることで、勘定科目がどのように使われるかを身体で覚えることができます。
コツ2:5つのグループを常に意識する
すべての勘定科目は、資産・負債・純資産・収益・費用の5つのグループのどれかに必ず分類されます。
- 費用勘定は、この中でも「支出」を表す特別なグループです。
- 費用が増えると、会社の利益が減るので、借方に記入します。
このように、5つのグループを常に意識しながら学習を進めることで、勘定科目の使い分けが簡単になりますよ。
コツ3:「本業かどうか」を考える
簿記3級で似たような勘定科目が複数出てきたら、まずは「これは本業の支出かな?それとも本業以外かな?」と考える癖をつけましょう。
- 仕入 → 本業の支出
- 給料・支払家賃 → 本業の支出(販売費および一般管理費)
このように、支出の目的によって分類が変わることを意識すると、費用勘定の使い分けがより明確になります。
まとめ:費用勘定は怖くない!
簿記3級の学習において、費用勘定は会社の支出を理解するための基本です。
この記事で解説したように、費用勘定は「お金を使った」という共通点があり、仕訳では借方に記入するというシンプルなルールを理解すれば、決して難しいことではありません。
一つひとつの勘定科目を丁寧に理解し、仕訳の練習を繰り返せば、必ず簿記3級の合格に近づけます。

おさらい
「お金を使ったら、費用勘定を借方に記入する」
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